概要

THz分光装置は、時間波形を基本とする新しい分光装置です。それに伴い、計測から解析まで対応したソフトウェアを用意しています。

ラインナップ

共通
Tera Prospector専用
Tera Evaluator専用

共通

THz Analysis

THz分光装置では、強度のみではなく、位相を含めた解析が重要になります。THzAnalysisは、時間波形をベースに強度だけでなく、位相の取り扱いも考慮したWindows OSで動作する、分光分析を目的とした解析ソフトです。CSV形式のデータ入出力も可能で、FT-IRにも対応しています。透過率と位相の差から複素屈折率を算出するなど、テラヘルツ分光装置で計測した時間波形のデータ処理も充実しています。

解析例

THz Analysisの概要

THz Analysisの主な機能を次に示します。

  1. ファイル機能
    データファイルの保存・読込み、印刷などを行います。
  2. 編集機能
    スペクトルデータのファイル間制御およびプロパティの設定を行います。
  3. 表示機能
    ツールバーの表示、グラフの軸制御などを行います。
  4. データ処理機能
    複数の測定データをまとめて整理を行います。
  5. ウィンドウ機能
    ウィンドウの整理を行います。
  6. ヘルプ機能
    プログラムのバージョン情報を表示します。

取扱いデータ

取扱いデータとしては、基本的に以下の4種類に分類され、それぞれの属性を管理して、適切なデータ処理を行っています。

  1. 測定データ
    時間波形またはインターフェログラム
  2. 測定したスペクトル
    シングルビームスペクトル(振幅/位相)
  3. 解析したスペクトル
    透過率/反射率/吸光度/複素屈折率/複素誘電率など
  4. その他のデータ

THZEQ

THZEQは、PNP社製『Tera Prospector』、『Tera Evaluator』を制御・操作するプログラムです。

特徴

測定画面では、測定結果を時間領域と周波数領域で同時にリアルタイムで確認できます。
また、周波数領域の縦軸スケールを対数表示にすることができます。
調整オプション画面では、装置の光学調整状態を自動で最適化する機能が搭載されています。
Tera Evaluator専用機能として、自動傾き調整機能を搭載しており、常に最適な状態で測定ができます。

Tera Prospector専用

THZMAP

Tera Prospector用のマッピング測定および解析用ソフトです。THZEQにより装置を制御し、3次元(2次元の空間と時間波形の時間軸)のデータを取扱、解析結果を画像として出力します。

測定例

測定モード

  1. プレスキャン
    分光イメージ計測を行う前に試料の空間イメージを確認するために、遅延時間を固定して、強度イメージを計測する測定モードです。
  2. 時間波形スキャン
    マッピング測定の各測定点で時間波形データを取得する測定モードです。

解析項目

  1. 時間波形強度
    特定の時間位置の時間波形強度分布を画像で示します。
  2. 透過率
    特定の周波数の透過率分布を画像で示します。
  3. 吸光度
    特定の周波数の吸光度を画像で示します。
  4. 位相差
    特定の周波数の位相差を画像で示します。
  5. 時間波形ピーク
    マスごとの時間領域内での最大強度値の分布を画像で示します。

Tera Evaluator専用

THZELLIPS

Tera Evaluator用のマッピング測定および解析用ソフトです。THZEQにより装置を制御し、3次元(2次元の空間と時間波形の時間軸)のデータを取扱、解析結果を画像として出力します。

クロス測定例

測定点

  1. 任意点
    全ての測定点の座標をユーザーが手入力で設定することができます。
  2. クロス
    ユーザーが指定した空間領域と分割数で定義されるマップのうち、十字位置となる点のみで測定を行います。
  3. マトリクス
    ユーザーが指定した空間領域と分割数で定義されるマップの全点で測定を行います。

保存データ形式

マッピングデータの保存形式として、netCDFという形式を採用しています。
測定完了後、「閲覧」画面でデータを確認後、個々の測定点の時間波形およびエリプソメトリックパラメータをCSV形式で出力することができます。