検査・分析の未来を拓くテラヘルツ分光装置

PNPが提供するテラヘルツ分光装置Tera Prospector は、光と電波の境界領域という、今までとは取り扱いが異なる電磁波の帯域を取り扱う新しい分光装置です。
電磁波パルスの電場強度の時間波形を計測することで、電場強度と共に位相情報も同時に計測します。
リファレンスとサンプルでの時間波形の違いを解析することにより、サンプルの複素誘電率(複素屈折率)の周波数依存性を得ることができます。
ラインナップ
Tera Prospector 標準モデル

Tera Prospectorは、非破壊での製品の内部検査を可能にしました。
標準モデルでは、汎用性を重視し、広い試料室空間を確保することでお客様の様々な目的に応じた付属光学系の導入を実現します。
Tera Prospector-Kitモデル

本製品は、弊社テラヘルツ分光装置Tera Prospectorをベースとした実験ユニットです。
使用する光学部品および制御部品は、TeraProspectorに搭載しているものと同等のものを使用しており、防振ユニット上に光学部品ユニットと制御ユニットおよび制御用PCから構成されます。
測定に支障のある水蒸気除去に関しては、オプションとして、防湿UNITを御用意しています。
ご予算に応じた機能選択が可能なユニットです。
測定例
高抵抗Siウェーハの測定結果

ウェーハの表面で繰り返し反射されたピークが確認できます。
時間波形( 左のグラフ) をフーリエ変換することにより、透過率と位相の周波数依存性( 右のグラフ) を得ることができ、これにより各周波数の複素誘電率(複素屈折率)が求められます。
さらに、複素誘電率の周波数依存性をドルーデ・モデルを用いて解析することで、キャリア濃度・移動度を求めることが出来ます。

低周波数用のシステムにすることで、50GHz以下まで測定が可能になります。
糖の含有量による吸光度の測定例


テラヘルツ吸収スペクトルによる判別例(側鎖の判別)


ペリレン誘導体(PTCDI-C5,C8,Ph)の側鎖の違いが、テラヘルツ領域の吸収スペクトルによって観測されます。
樹脂素材の透過例(Suica)


Suica は、ループコイルとFeliCa チップが搭載されたフレキシブル基板を2枚のPVC 樹脂で挟み、さらにその表層に印刷を施したPET-G 樹脂を重ねた構造となっています。
テラヘルツ測定では樹脂内の部品が透視できます。
Quartz の複素屈折率測定例


石英結晶の各軸と入射電場の間の相対関係に依存して、複素屈折率に大きな違いが観測されます。 データは、Y軸に対して垂直に切断された石英結晶のX軸方向とZ軸方向の各軸に対して、平行に偏光された入射テラヘルツ電場の透過測定の複素屈折率解析の結果です。
時間波形ピーク位置の再現性

18時間以上の連続測定おいて、時間波形のピーク位置のズレが1.2fs以下を実現。測定時間問わず、正確な測定ができます。
製品仕様・カタログ
測定方式 | THz-TDS(Time-Domain Spectroscopy) |
計測信号 | 電場強度の時間波形 |
出力データ | 透過/反射スペクトル(オプション)、複素屈折率、複素誘電率(解析プログラム使用) |
試料室光学配置 | 透過光学系配置 付属光学系(オプション)により、反射測定、ATR測定など汎用測定ができます。 クライオスタットを用いた温度可変計測も可能です。 |
サンプル室容量(標準モデル) | 232(W)×482(D)×281(H) mm、約31L |
測定帯域 | 200GHz~4THz(注1)以上(標準仕様)(注2) |
周波数分解 | 6GHz以下 |
ダイナミックレンジ | 40dB以上(1スキャンあたり) |
フェムト秒パルスレーザ | 中心波長780~810nm付近、パルス幅120fs以下 (※外部からの導入も可能です) |
試料形態 | 固体、液体(液体セルを使用) |
制御用PC | 標準ソフトをインストールしたWindows OSの動作条件を満たすコンピュータを付属 |
ソフトウェア | 測定用ソフトウェア、解析用ソフトウェア |
外形寸法/重量(標準モデル) | 720(W)×660(D)×438(H) mm、約65 kg(※配線、突起等は含みません) |
電源 | AC100 V ( 50/60 Hz ) 10 A |
(注1) 分光データに関しては、試料に依存しますが、およそ200GHz~3THzになります。
(注2) アンテナ素子の交換により、低帯域仕様に変更可能です。
※ 販売形態・オプションについては別途お問い合わせください。